目が覚めたら、目の前に金色の光があった。
朝日を浴びてきらきらと輝く髪を無造作にたらしたまま、鋼のが優しい笑顔で囁く。
「おはよう、ロイ」
その笑顔に私はみるみる頬が赤くなるのを感じる。
朝からそんな優しい顔は反則だ。
「ロイ?」
頬を染めてうつむく私に、鋼のは不思議そうな声を出しているが、私は視線を下げた事によって視界に飛び込んできたものに、さらに顔を赤くする羽目になる。
瞳に飛び込んできたのは、鋼ののすっかりとたくましく成長した胸。
一糸まとわぬその姿は私も一緒で、昨日の痴態まで思い出してしまった私はどうしようもない恥ずかしさに見舞われる。
久しぶりに快楽を与えられた身体は、私の意志を裏切って乱れに乱れた。
鋼のの望むままに声を上げる事など今までなかったのに、もう一人で朝を迎え無くて良いという現実が私の理性を根こそぎ奪ってしまった。
いったいどんな顔をして鋼のと顔を合わせれば良いのだと、私は往生際悪くもそもそとシーツの中へと逃げ込む。
「ロ〜イ?」
真っ白な世界で鋼のの視線から逃れられた事にホッとしていると、少し意地の悪い鋼の声が上から聞こえてくる。
「なに朝から可愛いことやってんの?」
そう言った鋼のは、シーツにくるまったままの私を軽々と膝の上に抱き上げてしまった。
「うわっ」
驚いて声を上げる私を、鋼のはぎゅうと背後から抱きしめる。
本の少し前まで背後から抱き締めるのは私の方だったのに。
今となっては鋼のはいとも簡単に私を包み込む。
「そんなふうに隠れてないでさ、ちゃんと顔見せてよ。せっかくもうあんたを置いていかなくてもよくなったんだからさ、もっとあんたを堪能させて?」
「・・・・・・・」
全くこんな恥ずかしい台詞をどこで覚えてくるんだ!
それでも鋼の言葉に逆らう術をもたない私は、シーツから少しだけ顔をのぞかせる。
「やっと顔が見れた」
嬉しそうに笑いながら、鋼は私の顔中にキスの雨を降らせてくる。
くすぐったくて、意識せず私の口からクスクスと笑い声が漏れる。
その声に鋼のの笑みがますます深くなる。
「幸せだなあ・・・」
ポツリと呟かれた声に顔を上げれば、すかさず唇に鋼のの唇が重なる。
「こうして朝をあんたと一緒に迎えて、そしてずっと一緒にいられるなんて。ずっと夢見ていたんだよ」
・・・そうだね。今までの私たちは目覚めた瞬間が別れの時間だった。
だけどアルフォンス君の身体を取り戻した鋼のは、もう私を置いて旅立つ事はないんだ。
「もう絶対に一人になんてしないから。だから、ずっと一緒にいよう、ロイ」
真剣な鋼の眼差しに私の心が震える。
それは私がずっと待ち望んでいた言葉。
だけど望んではいけないとも思っていた言葉。
その言葉をいとも簡単に差し出してくれる君が何よりも愛しい。
「もちろんだよ。鋼の」
声を震わせながら鋼のに抱きついた私は、ありったけの思いを込めてそう囁いた。



                              END



私はまるともさんの小説で終わった方が綺麗だったような気がするんですけど・・・。
まるともさんの書いた小説の二人があまりに幸せそうだったので、ちょっと真似したくて続きを書いてしまいました。
余分な事をしてすみません。
しかし、管理人は基本三人称書きの人なので一人称は難しいです・・・。
それにしても、なぜエドファンの管理人が大佐視点で、大佐ファンのまるともさんがエド視点なんだろう(笑)
少しでもお楽しみいただければ幸いですが、あっちこっちのサイトに移動させてしまって申し訳ありませんでした<(_ _)>